大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和33(あ)113 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人高沢正治の上告趣意一は本件逮捕に当つた司法警察員が本件犯行の行われ

ようとするのを予め知りながらその予防のため警告を発しこれを制止する等の措置

をとらなかつたため本件犯行が行われたのであるから本件逮捕手続は違法であり、

かかる違法措置により本件犯行を犯すに至つた被告人に犯罪の全責任を負わしめた

第一、二審判決は憲法に違反すると主張する。しかし、本件現行犯逮捕手続書によ

れば、所論司法警察員は挙動不審の被告人を看視中被告人が被害者のポケツトから

品物を抜き取つたのを現認したので逮捕したというのであつて、抜き取りを現認す

る直前までは被告人が何らかの犯行を行なおうとする様子を認めたという場合でな

いから、右警察員の措置は所論警察官等職務執行法五条に反するところもなく、本

件逮捕手続には何らの違法もないこと明かである。従つて所論違憲の主張も前提を

欠き採用することができない。

同二及び被告人の上告趣意はいずれも量刑不当の主張で刑訴四〇五条の上告理由

に当らない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項但書により裁判官全員一致

の意見で主文のとおり決定する。

昭和三三年五月二〇日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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